2020/09/09_「お店をやる」という表現行為

西日暮里にある「屋上」というお店の存在を知り、メンバーで共有した。ホームページやネットショップを見ると自分たちが好きな感じのコンテンツばかりで興奮した。また、同時期に『美術手帖』の「ポスト資本主義とアート」という特集で、喫茶野ざらし」の記事を読み、これまたメンバーで共有した。佐藤研吾さん、中島晴矢さん、青木彬さんの3人が運営しているこのお店は、「生業でもあり芸術でもある」と言う。

これらの活動では、ただアーティストがお店をやっているのではなくて、アーティストが「お店をやる」という表現行為をやっているのだと気づく。つまり、作品発表の一つの形式として、お店で商品を売るというやり方があるということ。自分たちがやろうとしていたことは、これに近いかもしれない。また、作家活動だけだと生活が苦しい時に自分でつくったお店で働くと収入が得られたり、「お店」という形式をとることによって自分たちの活動が認知されやすくなるという素朴な利点もある。

そう思うと、自分たちのお店も「〇〇商店」というような分かりやすい名前にして、その中で変なものを売ったり実験的なことをやったりするのが良いかもしれない。(確か建築家・石山修武も「石山商店」っていう雑貨商を始めるプロセスを綴った本を書いていた。)

自分たちと方向性の近いレファレンスを見て、「お店をやる」ことがある種の表現行為になりうるという確信を得た。

(text : えじり)